八十二銀、インド民間最大手行と提携へ=進出企業の支援強化
【ニューデリー時事】地方銀行上位の八十二銀行(長野市)がインドの民間銀行最大手ICICI銀行と提携協議を進めていることが10日、分かった。近く覚書を交わす。関係者によると、日本の地銀が単独でインドの民間銀行と提携するのは初めて。現地に進出した地場企業の支援を強化することが狙い。 ICICI銀は、日系企業専用の窓口となる「ジャパン・デスク」を設置。八十二銀は窓口を通じて企業に金融サービスなどの支援を行うほか、将来的にインドへの進出を計画している地場企業をサポートする。 国際協力銀行(JBIC)は2012年、国営インドステイト銀行と業務協力に関する覚書を締結。八十二銀を含む地銀45行も参加した。しかし、「覚書は象徴的なもので、実際に具体的な事業を始めた地銀はない」(金融関係者)という。 八十二銀はICICI銀との提携により、インドに進出する地元企業を取り込み、日本のメガバンクに顧客を奪われるのを避けたい思惑がある。ICICI銀も日系企業との接点を得て、融資などビジネス拡大の足掛かりにする考えだ。 関係者は、日系企業の東南アジア進出が一段落したものの、巨大な市場を持ち、今後の成長が期待できるインドへの進出意欲は根強いと指摘。「日本の地銀は今後、インドでの事業展開を検討する地場企業のニーズに応える必要に一段と迫られる」と話している。(2017/01/11-07:54)
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