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山名三菱東京UFJ銀副頭取:事業仲介強化へ名古屋大と技術説明会=インタビュー

2017/01/05 株式会社 時事通信社
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三菱東京UFJ銀行の山名毅彦副頭取(中部駐在)はインタビューに応じ、名古屋大学と企業に対する先端技術の説明会を開催するなど、引き続き事業仲介を強化していく考えを示した。主なやりとりは以下の通り。-2017年の東海地域の景気見通しは。  16年は年明け早々から円高・株安が進み、中間決算発表時には企業側に悲壮感も感じられた。ただ、米大統領選挙の後、そうした動きも転換。17年もこのまま推移してくれればと思うし、東海地域は米国向け輸出企業が多いので、米国の好景気が続いてくれることを期待している。  リスクとしては、国内より海外に要因が多い。トランプ次期米大統領が本当に就任してから(米国の経済政策が)どうなるのか。また欧州では、英国の欧州連合(EU)離脱が具体的になってくるほか、各国で選挙が続くなど不安要因がある。これらが、現在の好循環を回転させるきっかけになると困る。米国の金利が高いことも東南アジアや中南米の資金を吸い上げる側面があり、注意して見て行かなくてはいけない。  -企業の設備投資の動向は。  高い水準で推移する現状から大きく落としてくることはないだろう。東海地域では、1ドル=100円まで円高が進んでも、企業の設備投資へのスタンスは変わらなかった。ただ、行内では企業の設備投資や研究開発投資がどうなっているか、注視するように指示している。  -17年の重点施策は。  海外進出支援と事業仲介には引き続き注力していく。東海地域では中小企業が海外に進出するケースも多く、顧客のニーズが高い。われわれは自ら「海外事業が一番得意な銀行」と名乗っているので、そうした企業はしっかりとお手伝いをしていきたい。  事業仲介では、2月に名古屋の企業が多く進出しているフィリピンで初の商談会も開催する予定。また17年の中頃には、名古屋大学など東海地域の複数の大学と企業を結びつける技術説明会を開催する。大学が持つ技術を企業に説明し、将来の事業化につなげるもので、名古屋では初の取り組みになる。  -東海地域での地方銀行再編の見通しは。  基本的には地銀自身が考えることだが、名古屋は多くの銀行が進出してくるなど、魅力がある経済圏。確かに(競争の激化で)利ざやの縮小が進んでいるが、地域金融機関にさほど焦りはないのではないか。(2017/01/03-08:57)

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株式会社 時事通信社

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