テレマティクス技術を活用した自動運転車両の ODD 設計支援を開始
MS&ADインシュアランスグループのあいおいニッセイ同和損害保険株式会社(代表取締役社長:新納 啓介)は、自動運転移動サービスの実装を支援するため、当社が保有するテレマティクス自動車保険のデータ・ノウハウを活用した自動運転車両の走行ルート設定や自動運転データの分析など、自動運転車両の ODD※1設計支援を 2025 年 1 月以降に開始します。
第一弾として、東京臨海副都心エリア(有明・台場・青海地区)※2 の公道で、自動運転の実装を目指す事業者等が提供する自動運転移動サービスの中で ODD 設計支援を実施し、全国の自動運転サービス運営事業者へ展開していきます。
※1 Operational Design Domain(運行設計領域)の略で、設計上、各自動運転システムが作動する前提となる走行環境条件を指す
※2 https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/07/26/11.html
1.背景・目的
自動運転技術は、交通事故の削減や高齢者等の移動支援、ドライバー不足といった様々な社会・地域課題の解決策として期待されており、政府は 2025 年度を目途に 50 カ所程度、2027 年度を目途に 100 カ所以上の地域で無人自動運転移動サービスの実現を目指しています。また、こうした政府の動向等も踏まえ日本国内の様々な地域で自動運転技術を活用した取り組みが加速しています。
当社では、自動運転社会の到来を見据えて 2016 年より開始した群馬大学との共同研究を皮切りに、英国Oxa Limited や米国 May Mobility と資本業務提携※3を行う等、国内外の様々なパートナーと自動運転技術に関する研究・協業を進めてきました。
今般、当社は、自動運転移動サービスの安全な運行に貢献すべく、約 190 万件のテレマティクス自動車保険契約の走行データとその分析ノウハウを活用した ODD 設計の効率化・精緻化に向けた取り組みを開始します。
※3 シャトルバス向け自動運転システム開発のトップランナー「May Mobility」に出資(2023 年 11 月 7 日)
自動運転システムの開発を手掛ける Oxbotica との資本業務提携について(2023 年 1 月 11 日)
2.取り組みの概要
(1)自動運転車両の走行ルート設定
当社がテレマティクス自動車保険の提供を通じて蓄積した自動車走行データ(急減速、急加速、急ハンドル、走行量、平均速度)を移動サービスで使用する自動運転車両の走行ルート設定に活用します。
(2)テレマティクス車載器を用いた自動運転データの分析
移動サービスの提供で使用する自動運転車両に当社のテレマティクス車載器を搭載し、自動運転車両の走行データを取得・分析することで、自動運転車両の走行傾向を把握し、高度なODD設計の支援を目指します。
また、収集した自動運転車両の走行データを当社が開発した「走行ルートリスク評価ツール」※3の精度向上にも活用していきます。
※3 自動運転車固有のリスク傾向を踏まえ、リスクと相関の高い走行環境要因(交差点やその通行方法、歩車分離の状況、交通量等)の分析に基づき、走行ルートのリスク評価を行うツール
【国内初】自動運転車の走行データを活用した走行ルートリスク評価ツールを開発(2023年3月3日)
3.今後の展開
当社は、今般の取り組みで得た自動運転に関する知見やノウハウを、日本国内で展開される様々な自動運転技術を用いた移動サービスへ還元していくとともに、ODD設計支援に留まらない自動運転に適応した事故・トラブル対応の在り方を含めた自動運転サービスの社会実装に資する保険商品・サービスの開発に取り組んでいきます。
また、自動運転技術を活用した新たなモビリティサービスの普及・促進に向けて継続的に取り組むことで、「安全・安心で快適なモビリティ社会の実現」に貢献していきます。
以上
この記事の情報発信者
あいおいニッセイ同和損保はMS&ADインシュアランス グループの一員として、グローバルに事業展開する世界トップ水準の保険・金融グループを創造し、持続的な成長と企業価値向上の実現を目指します。また、行動指針に「地域密着」を掲げ、地域社会への貢献活動や地域の課題解決に積極的に取り組んでいます。