大手行、地銀戦略見直し=金融規制で環境厳しく-地銀再編
三井住友フィナンシャルグループとりそなホールディングスは、傘下の地方銀行3行を経営統合することで基本合意した。国際金融規制の強化や超低金利の長期化で、大手行の経営環境は厳しさを増している。収益力や財務体質の強化に向け、地銀との関係を含めて戦略の見直しを迫られており、系列を超えた傘下行の再編につながった。 大手行はかつて、店舗網が手薄な地方の営業力強化を狙い、地銀を系列に組み込んできた。しかし、地方は人口減少などで資金需要が伸びず、日銀のマイナス金利政策で融資の収益性も低下。大手行と地銀が競合するケースも増えてきた。 また、リーマン・ショック後に国際的な金融規制が厳しくなり、大手行は自己資本の充実や総資産の圧縮を迫られている。リスク資産の地銀株の保有は重荷となっており、メガバンク首脳は「地銀と組む戦略的な意味が薄れている」と話す。三井住友は今回の統合で、関西アーバン銀行とみなと銀行を連結対象から外せば、自己資本比率が約0.5%上がると試算している。 三井住友など3メガバンクは成長が見込める海外事業に力を入れる。これに対し、りそなは国内の中小企業取引などを重視。「地銀と『ウィンウィン』の関係を結べば顧客増加につながる」(幹部)とみており、メガバンクとは異なる戦略を描いている。 今後は、三菱東京UFJ銀行系の中京銀行(名古屋市)や、みずほ銀行系の千葉興業銀行の動向が焦点となりそうだ。(2017/03/03-19:59)
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