豪クリアビュー、年金保険市場参入も=ソニー生命のノウハウ活用
【シドニー時事】オーストラリアの保険会社クリアビュー・ウェルスは、年金保険市場への参入に向け、検討を始めた。経済紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビューが27日までに報じた。業務提携したソニー生命のノウハウを活用する考えだ。 ソニー生命は昨年10月、クリアビュー株式14.9%を1億4500万豪ドルで取得。今年1月には業務提携を交わした。 クリアビューのスワンソン最高経営責任者(CEO)は同紙に対し、「年金保険の商品化を検討している」と説明。「ソニー生命が保有する老人介護や退職年金の専門知識を活用する機会があるだろう」と語った。 クリアビューの現在の主力商品は、従業員の退職金を積み立てる「スーパー・アニュエーション(退職年金)」。魅力的な年金保険をそろえられれば、スーパーの契約者に売り込むことができる。 同紙によれば、豪年金保険市場は120億豪ドルの規模があり、その75%のシェアをチャレンジャー・リミテッドが握っている。チャレンジャーは昨年、三井住友海上プライマリー生命とチャレンジャーの豪ドル建て年金保険を日本で販売してもらう提携策を結んだ。 豪保険市場は再編期にある。人口増加で保険市場の成長が見込まれるが、銀行などは業務効率化のため、保険事業を相次いで売却している。その保険市場に関心を寄せるのが、国内市場が飽和状態にある日本の保険会社。ソニー生命や三井住友海上プライマリー生命だけでなく、日本生命保険も昨年、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)の生命保険事業買収を完了した。(2017/02/28-08:53)
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