東芝支援、銀行に温度差=縮小均衡、将来像で相違
経営再建中の東芝の支援をめぐり、取引金融機関の間に温度差が広がっている。主力取引銀行の三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行を含め、主要行も一枚岩とは言い難い状態。資金繰りを支える姿勢では一致しているが、再建策や成長への道筋の描き方では意見が食い違う。東芝の縮小均衡は避けられないとの見方も出ている。 大手行幹部は「半導体事業の価値を最大限活用すれば、借金をきちんと返済できる」と指摘。東芝が記憶用半導体フラッシュメモリー事業を分社化し、過半の株式を売却することを歓迎する。当初、東芝は売却する割合を20%未満に抑える考えだったが、主力行は財務改善の切り札として追加売却を強く迫った。 東芝は半導体への関与を残すため、一定の株式を継続保有したい考えだ。銀行団の中には、東芝の収益力を維持するため、継続保有を容認する声がある一方、資金確保を狙い完全売却を求める意見もある。 東芝は3月末に負債が資産を上回る債務超過に陥る見通し。今月15日の銀行向け説明会では、地方銀行から「融資の判断ができない」など厳しい声が相次いだ。主力行は「債務超過は一時的」と地銀などに融資残高の維持を働き掛けている。 ただ、みずほ銀は東芝の経営悪化を受け、融資先の財務状況を示す債務者区分を「正常先」から「要注意先」に引き下げる措置を取った。 ある大手行幹部は「小さくなった半導体、リスクを最小限に抑えた原発、社会インフラが東芝の新たな3本柱になる」と解体・縮小に言及した。(2017/02/27-14:07)
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