外貨預金、カードで使って!=海外旅行に便利、発行続々
海外旅行者向けに、外貨預金に連動したカードの発行が相次いでいる。旅先で現地通貨に両替する手間もなく、外貨を買い物などの支払いに充てられる。円高時に外貨をためておけば、旅行する際に円安になっても為替レートの変動を気にせず買い物ができると、各行は売り込みに力を入れている。 ソニー銀行は2016年1月、円以外に米ドル、英ポンドなど10種類の外貨が使えるデビット機能をキャッシュカードに追加。VISA(ビザ)加盟店で買い物ができ、預金口座の外貨から代金が即時に引き落とされる仕組み。 サービス拡充が奏功し、16年の口座開設数は前年から倍増し、カードの発行数も切り替えを含め20万枚弱に増えた。デビット機能の利用状況では、海外が3分の1を占めた。 大和ネクスト銀行は16年3月、外貨預金から残高を移し、支払いに使えるマスターカードブランドのプリペイド型カードを投入した。同行は「『ためる』『殖やす』に、『使う』機能を加えた」(経営企画部)と説明。新生銀行もグループ会社を通じ、同様の機能を備えたカードを15年から発行する。 外貨預金は円預金より高利回りが期待でき、資産運用目的の利用が多かった。ただ、購入時などには手数料が掛かり、円高になれば目減りする。新生銀は「元本割れのリスクも十分説明して、利用してもらっている」(IR・広報部)と話す。 国内の銀行が個人から預かった外貨は円換算で4兆8561億円(16年9月末現在)に上る。外貨建ての融資や証券運用の原資となっており、各行は利便性を高めて残高を伸ばしたい考えだ。
▽外貨預金から支払えるカード
銀行名 方 式 発行開始 使える外貨
新 生 プリペイド 2015年7月 4種類
ソニー デビット 16年1月 10種類
住信SBIネット デビット 16年1月 1種類
大和ネクスト プリペイド 16年3月 5種類
(2017/02/22-14:09)
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