介護前払特約とは?仕組み・メリット・注意点をわかりやすく解説
「介護前払特約」をご存知でしょうか。介護保障を考えるうえで、正しく知っておきたい特約の一つです。本記事では、介護前払特約の概要から注意点まで整理して解説します。介護前払特約とは介護前払特約とは、主に終身保険に付加するもので、所定の要介護状態になったときに、死亡保険金の全部または一…
「介護前払特約」をご存知でしょうか。介護保障を考えるうえで、正しく知っておきたい特約の一つです。本記事では、介護前払特約の概要から注意点まで整理して解説します。
介護前払特約とは
介護前払特約とは、主に終身保険に付加するもので、所定の要介護状態になったときに、死亡保険金の全部または一部を前倒しで受け取れるという特約です。前払によって保険金を受け取った場合、もとの保険金額から前払で支払われた金額が差し引かれ、残額が死亡保険金となります。
前払を受ける金額からは、前払となる期間相当の利息が差し引かれますが、その時点で解約した場合の解約返戻金を上回る金額となる設計が一般的です。介護保障のない終身保険の場合、要介護状態になり介護費用が必要になった際には保険を解約して解約返戻金をあてることになりますが、介護前払特約を付加していれば、保険を解約せずに介護費用を準備できる点がメリットです。
受け取り方には「一時金タイプ」と「年金タイプ」があり、商品によっては毎年異なる年金額を指定できるものや、年金を「月払」「3カ月払」「半年払」で分割受取できるものもあります。
介護前払特約が登場した背景
介護前払特約が登場した背景の一つに、介護や支援が必要な人の数が年々増加していることが挙げられます。
公的介護保険制度がスタートした2000年度と比べると、認定者数は大きく増加しています。一方で、要介護認定者数が増加を続ける中でも、民間の介護保険への加入者数は依然として多くないのが現状です。介護に対する備えは、多くのお客さまにとって引き続き重要な課題といえます。
介護前払特約の注意点
介護前払特約は契約者の任意で付加を選択できます。特約保険金の支払条件は、多くの商品に共通する要素として、主に次の3つをいずれも満たすことが挙げられます。ただし詳細な条件は商品ごとに異なるため、個別に確認が必要です。
- 主契約の保険料払込期間が満了していること
- 被保険者の年齢が満65歳以上であること
- 被保険者が公的介護保険制度による要介護認定または要介護更新認定を受け、かつ要介護4または要介護5に該当していると認定されていること
保険金額については、前倒しで支払われる額が他の契約と通算して3,000万円まで、10万円から受け取れるとする商品が一般的です。
各社の介護前払特約
介護前払特約を付加できる主な商品は以下の通りです。「ナーシング・ニーズ特約」など、異なる名称で取り扱う会社もあります。
| 保険会社 | 付加できる商品の例 | 受け取り方法 |
|---|---|---|
| SOMPOひまわり生命 | 終身保険一生のお守り | 一時金タイプ |
| オリックス生命 | 終身保険ライズ/米ドル建終身保険キャンドル | 一時金タイプ |
| ジブラルタ生命 | 終身保険/米国ドル建終身保険 | 年金タイプ |
| プルデンシャル生命 | 有期払込終身保険/米ドル建終身保険/ユーロ建終身保険 など | 年金タイプ |
| ソニー生命 | 有期払込終身保険/変額保険終身型/リビングベネフィット20(終身型)など | 年金タイプ |
お客さまへの提案時に押さえておきたいポイント(まとめ)
終身保険の解約返戻金を老後資金として活用しようと考えるお客さまも多くいますが、「いざとなったら」と漠然と考えるのではなく、介護施設に入るときの一時金など明確な使い道を想定して介護前払特約を付けておくという考え方も選択肢の一つです。
- 介護前払特約は死亡保険金の前倒し受け取りであり、受け取った分だけ将来の死亡保険金は減少する
- 対象となるのは要介護4・5に限られるのが一般的で、軽度〜中度の要介護状態はカバーされない
- 特約自体に保険料負担が生じないケースが多いが、前払時には利息が差し引かれる
- お客さまが加入中・検討中の保険にこの特約がある場合、介護保障へのニーズや資産状況を踏まえたうえで、選択肢の一つとして紹介できる
よくある質問
本記事は転載元の公式発表をもとに INSURANCE JOURNAL が掲載しています。掲載内容は公開時点の情報に基づきます。