金融大手、「英脱出」を検討=独仏へ事業移管-EU離脱
【ロンドン時事】英国の欧州連合(EU)離脱に備え、「英脱出」を目指す金融大手の動きが18日、相次ぎ浮上した。英HSBCホールディングス首脳は事業の一部をパリに移管する計画を表明。米ゴールドマン・サックスも英で人員を減らしドイツ・フランクフルトなどに異動させる検討を始めたとされ、ロンドンの金融街シティーから少なくとも数千人の銀行マンが海外流出する可能性が出てきた。 メイ英首相は17日の演説で「EU単一市場」から脱退する方針を発表し、悪影響が懸念される金融界に大きな波紋が広がった。英国を拠点に欧州事業を展開する銀行、証券、保険各社は、同国以外のEU加盟国に新たな足場を築き、そこで事業の継続を図る対応を加速させそうだ。 ロイター通信によると、HSBCのガリバー最高経営責任者(CEO)は18日、ロンドン事業の一部が「約2年で(パリに)移る」と述べた。HSBCはパリにも拠点を有し、移管先に最適と判断したもようで、ロイターは英国内の約1000人の行員が異動対象だと伝えた。 一方、独紙ハンデルスブラットは、ゴールドマンがロンドンの人員最大1000人をフランクフルトに移すことを検討していると報じた。また、スイス金融大手UBSのウェーバー会長は英BBCに、ロンドンの行員のうち約1000人がEU離脱の影響を受けると語った。 このほか、英ロイズ・バンキング・グループがフランクフルトに新拠点を設ける案を練っているとの情報もある。(2017/01/19-17:11)
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