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「たすき掛け人事」崩れる=再編後の慣例-銀行界

2016/12/20 株式会社 時事通信社
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大手同士が合併してきた銀行界で、頭取などのポストを出身母体で分け合う「たすき掛け人事」の慣例が崩れている。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は2017年4月のトップ交代で、FG社長と傘下の三井住友銀行頭取という枢要ポストを旧住友銀行出身者が占める。企業統治の強化に向け、金融庁がバランス人事からの脱却を求めていることも影響した可能性がある。  三井住友FGは今月16日、社長に三井住友銀の国部毅頭取、後任の頭取に高島誠専務が昇格すると発表した。  過去2代はFG社長が旧さくら銀行、三井住友銀頭取が旧住友銀の指定席。宮田孝一社長は記者会見で「結果としてバランスを取っているように見えたかもしれない」と指摘した。  三井住友FGは来年、指名委員会等設置会社への移行など経営体制変更を予定しており、これを機に慣例を断ち切った。国部氏は自らの社長就任について「新体制移行を円滑に進めるためだ」と強調した。  たすき掛けが崩れれば、人物本位の起用が加速する契機になる。ただ、旧さくら銀出身者の不満が高まる懸念もあり、今後の副頭取人事などが注目されている。  他行では、三菱UFJフィナンシャル・グループは、社長と三菱東京UFJ銀行頭取を旧東京三菱銀行が務める。みずほフィナンシャルグループは旧日本興業、旧第一勧業、旧富士の3行間で社長や傘下2行の頭取ポストを配分してきたが、13年の傘下行合併時に慣例が崩れた。  今後は三井住友トラスト・ホールディングスの首脳人事も予定されている。旧住友信託銀行、旧中央三井トラスト・ホールディングスのたすき掛けの行方が焦点となる。(2016/12/20-17:20)

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