社外取締役、トップ選び主導=指名委設置、透明性高める-大手銀行
大手銀行で、経営トップの選定に社外取締役の意見が強く反映される「指名委員会等設置会社」に移行する動きが広がっている。従来は頭取が直接後継者を指名することが多かったが、外部の目を入れ、経営の透明性を高める。三井住友フィナンシャルグループ(FG)が2017年の株主総会後に移行する予定で、3メガバンクの体制がそろう。 指名委員会等設置会社は、取締役の選任や解任に当たり、株主総会に議案を提出する前に指名委員会の決議を必要とする。委員会は社外取締役を過半数としなければならず、密室で人事を決めることはできなくなる。 メガバンクでは、みずほフィナンシャルグループは14年、三菱UFJフィナンシャル・グループは15年に指名委員会等設置会社になった。銀行界では三井住友FGのほか、三井住友トラスト・ホールディングスも移行を検討中。両社は現在も任意に社外取締役が過半数が占める委員会を設置し、人事を決めている。体制の移行には企業統治を一段と強める狙いがある。 三井住友トラストは17年4月にも、北村邦太郎社長(64)と傘下の三井住友信託銀行の常陰均社長(62)がそれぞれトップ交代する方針。これを受け、社内の指名・報酬委員会が後任選びに着手した。候補者の面談を経て今年度内に新たな経営陣を決める。 銀行界では今後、社外取締役が主導する人事がスタンダードになりそうだ。企業統治に詳しい大和総研の鈴木裕主任研究員は、社外取締役の影響力が強まることについて「外部から見た候補者の適格性が分かりやすく示されるため、(選定過程の)透明性が向上する」と指摘している。(2016/12/05-14:16)
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