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米KKR、豪賭け屋タッツに買収再提案=タブコープに対抗

2017/04/20 株式会社 時事通信社
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 【シドニー時事】オーストラリアのブックメーカー(賭け屋)大手タッツは19日、米投資大手コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が率いる企業連合「パシフィック・コンソーシアム」から、買収の再提案を受けたと発表した。タッツは豪掛け屋大手タブコープへの身売りで合意済みだが、承認獲得が難航しているのを見て、まだ勝機があると判断したようだ。
 提示額は72億豪ドル。タブコープによるタッツ買収額(61億豪ドル)を大きく上回っている。
 タッツは昨年10月、タブコープからの買収案に同意。統合すると時価総額110億豪ドル規模のブックメーカーが誕生し、国際競争力を強化できる。掛けのオンライン化が進み、国境をまたいだ競争が激化している。
 しかし、豪競争・消費者委員会(ACCC)は今年3月、両社の統合に対し「クイーンズランド州のスロットマシン店向けサービスなどで競争が著しく損なわれる恐れがある」と指摘し、承認を渋った。タブコープはこれを不服として、豪競争審判所(ACT)に提訴。ACTは6月中旬に判断を下す見通しだ。
 パシフィック・コンソーシアムには、KKRのほか、豪投資銀行大手マッコーリー・グループやモルガン・スタンレー・インフラストラクチャーなどが参加。異業種による買収のため、規制当局からの承認を得やすい。提示額の高さも魅力で、タッツが身売り先をタブコープからKKR連合に乗り換える可能性がある。(了)

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