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1次入札、4陣営が通過=半導体売却、選定難航も-東芝

2017/04/18 株式会社 時事通信社
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 経営再建に向けて東芝が進める記憶用半導体フラッシュメモリー事業の売却で、米国と韓国、台湾の4陣営が候補選定の1次入札を通過したことが13日、分かった。4陣営は今後の2次入札に進むが、その一つで東芝とメモリー事業で提携している米ウエスタンデジタル(WD)は、他陣営への売却は認めないとの考えを伝えた。独占禁止法の審査長期化や技術流出への懸念もあり、売却先の選定は困難を極めている。
 1次入札を通過したのは、WDのほか、米半導体大手ブロードコムと米投資ファンドのシルバーレイクの連合、韓国のメモリー大手SKハイニックス、シャープを買収した台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業。2兆円を超える応札額を提示した陣営もあるとみられる。
 東芝とWDの提携契約には、相手が第三者に資本を譲渡する場合は拒否できるとの条項がある。WDは東芝のメモリー事業が他陣営の手に渡ることを恐れており、売却は契約違反だと主張。東芝に独占交渉権の付与を求めた。 
 一方、フラッシュメモリー市場は寡占化が進んでいるため、WDなど同業者に売却する場合は独禁法の審査が長引く恐れがある。東芝は事業売却で2018年3月末までに債務超過を解消しなければ上場廃止が避けられず、これに間に合う保証がない同業者を売却先に選ぶのはハードルが高い。
 また中国との関係が近い鴻海を選べば、技術流出の懸念から外為法の規制対象となる可能性がある。国内にメモリー事業を残すため、政府系ファンドや複数の日本企業が組んで1次入札に参加した陣営の一角に加わる構想も、実現は「非常に難しい」(東芝幹部)状況だ。
 金額面以外にも考慮すべき条件が多く、売却先決定までの作業は長期化する可能性もある。(了)

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株式会社 時事通信社

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