原発損失遮断を期待=東芝の取引金融機関
三井住友銀行、みずほ銀行など東芝の取引金融機関は、東芝の米原発子会社ウェスチングハウス(WH)による米連邦破産法11条の適用申請で、東芝の経営再建の環境が整うことを期待している。海外原発事業の損失を確定できれば、際限なく赤字が膨らむリスクの遮断につながるからだ。 三井住友、みずほなどの主力行は「バケツの底が抜けた状態で融資を続けるのは難しい」(幹部)とし、損失に歯止めをかけるよう東芝に強く迫ってきた。破産法申請でWHが東芝の連結対象から外れれば、銀行団の要望に応えた形になる。 ただ、東芝には新たな損失が発生し、2017年3月末に純資産ベースで負債が資産を3400億円上回る債務超過に転落する見通し。銀行は通常、純資産がマイナスの企業に融資しないため、東芝との取引に慎重になる銀行が増えかねない。 東芝は記憶用半導体メモリー事業を分社化して株式を売却し、2兆円規模の資金調達を目指す。主力行は「東芝は実質的には債務超過ではない」として、地方銀行などに融資継続を働き掛ける方針だ。
◇主な金融機関の東芝向け融資残高
三井住友銀行 1,743
みずほ銀行 1,743
三井住友信託銀行 1,260
三菱東京UFJ銀行 1,053
三菱UFJ信託銀行 620
農林中央金庫 485
りそな銀行 210
その他 3,573
合計 10,687
(注)単位億円。2016年12月時点。その他は地銀、生保など (2017/03/30-18:06)
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