米TPG、豪新聞大手フェアファクスの株式5%取得=不動産仲介サイトに関心か
【シドニー時事】オーストラリアの新聞・雑誌大手フェアファクス・メディアの株式4.9%を米投資会社TPGキャピタルが取得したもようだ。29日付の経済紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビューが報じた。 外国企業による豪メディア株取得は最大5%に制限されており、今回の購入量は上限に近い。5%以上を購入する場合、外国投資審査委員会(FIRB)の承認が必要になる。 同紙によれば、TPGは、フェアファクスが分離を検討している不動産情報サービス「ドメイン・グループ」に関心を寄せているとみられる。TPGは今週にも、ドメイン買収に乗り出すかを判断する可能性があるという。 ドメインは、住宅売買や賃貸などの不動産仲介サイトを運営する。フェアファクスの新聞事業は発行部数や広告収入減少で苦戦しているが、ドメインは急成長を遂げている。 フェアファクスは2月、ドメインを年内にも豪証券取引所(ASX)に上場する方針を示していた。ドメインの時価総額は推定20億豪ドル規模。フェアファクスは上場後にドメイン株の30~40%を売却し、調達した資金を新聞事業の再構築に充てる意向だ。 フェアファクスは、シドニー・モーニング・ヘラルド紙、オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー紙などを発行。豪新聞市場でニューズに次いで2位で、33.8%のシェアを握る(IBIS社の2015~16年度調べ)。(2017/03/29-19:02)
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