東芝半導体どこへ?=苦境で売却、海外から関心-ニュースを探るQ&A
東芝はスマートフォンなどに使われる記憶用半導体フラッシュメモリーの事業を分社化し、その株式の過半を売却する方針だ。海外の企業や投資ファンドが関心を示している。 -フラッシュメモリー事業って何。 東芝が1984年に技術開発し、世界でトップクラスの技術力とシェアを持つ。東芝の営業利益の半分程度を稼ぎ、利益率も高い。野球で言えば「エースで4番」のような存在だ。 -なぜ売るのか。 原発事業で7000億円超の損失が生じ、負債が資産を上回る債務超過に陥る。メモリー事業を売却して資本を増強しなければ、銀行が融資を引き揚げる可能性がある。 -売却先を決める入札をやり直すというが。 当初は売却する株式を2割未満に抑え、メモリー事業の主導権を東芝が握る方針だった。だが、米原発子会社で経営者が会計に不適切な圧力を加えた疑いも浮上し方針を転換した。1兆円規模の資金獲得を目指し、全株売却も視野に入れている。 -入札に参加しそうな企業は。 シャープを買収した台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が意欲を示している。メモリー事業で提携する米ウエスタンデジタル、ライバルの米マイクロン・テクノロジー、韓国のSKハイニックス、米投資ファンドのベインキャピタルやシルバーレイクなどが候補だ。金額が大きいので、複数で組むことになりそうだ。 -入札の手続きは。 3月中にも1次入札を締め切り、早ければ5月ごろに売却先が決まる見通しだ。東芝は売却に際し、国内の雇用や生産拠点である四日市工場(三重県四日市市)の維持を求めていく方針だ。(2017/03/07-12:47)
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