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系列、県境越え地銀再編=人口減、低金利に危機感

2017/02/23 株式会社 時事通信社
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地方銀行の再編が加速している。人口減少や長引く低金利など地域金融を取り巻く環境が悪化する中、県境やメガバンク系列の垣根を越えた経営統合が相次いでいる。低金利で利ざやが薄い中、地方の人口が減少し、借り入れ需要が減れば、地銀経営は成り立たない。メガバンクが経営資源を海外市場に移し、系列地銀への関与を薄めようとしていることも再編を後押ししている。  三井住友フィナンシャルグループ(FG)傘下の関西アーバン銀行(大阪市)、みなと銀行(神戸市)と、りそなホールディングス傘下の近畿大阪銀行(大阪市)の3行が統合の検討を始めた。三井住友FG系の三重銀行(四日市市)とみずほフィナンシャルグループに近い第三銀行(松阪市)の三重県の2行も統合交渉中だ。  大手銀行は、リーマン・ショック以降の国際的な金融規制の強化で、より多くの自己資本を求められている。資本を充実させるには総資産を圧縮する必要がある。リスクのある保有株式の売却を迫られる中、「地銀の株式を持ち続ける余裕はない」(メガバンク幹部)との声が出ている。  県境を越えた統合も続く。昨年4月に横浜銀行と東日本銀行(東京)が統合し、コンコルディア・フィナンシャルグループが発足。常陽銀行(水戸市)と足利ホールディングス(宇都宮市)が北関東の隣接県で統合した「めぶきフィナンシャルグループ」も誕生した。規模拡大による顧客基盤の強化、システム費の削減など相乗効果が狙いだ。  金融庁が昨年公表したリポートによると、人口減少に伴う地域経済の落ち込みなどにより、2024年度には6割を超える地銀で、融資など本業の損益が赤字になるという。全国地方銀行協会の中西勝則会長(静岡銀行頭取)は「各行とも再編を経営戦略の中に位置付けて考えている。今後も増えていく」と指摘している。 (2017/02/22-18:07)

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