銀行預金、関東に過半=大都市への集中加速-16年末
経済活動の活発な大都市に、マネーが集中する動きが加速している。日銀がまとめた2016年末の都道府県別預金によると、関東地方の預金残高は前年末比13.1%増の368兆1176億円。全国(730兆2368億円)に占める関東の割合は2.2ポイント上昇の50.4%と、データをさかのぼることが可能な1998年以降で初めて年末の残高が5割を突破した。 都市銀行や地方銀行など139行を対象に、各都道府県内の本支店の預金残高を集計した。 全国に占める関東の割合は、98年末の約43%から上昇傾向が続いている。関東の中でも東京都の伸びが突出しており、16年末の東京の預金残高は前年末比19.1%増だった。 けん引役は法人預金だ。日銀が16年2月にマイナス金利政策を導入した影響で、企業が利回りの低い債券での資金運用を減らし、代わりに預金を増やした。 大手行関係者は「企業収益が高水準で推移していることも、法人預金増加につながった」と指摘。大企業の本社が多い関東に預金が集まる構図になっている。大都市を抱える近畿、中部両地方も、それぞれ4.3%増と堅調だった。 一方、四国は0.6%増、東北は1.4%増にとどまった。県別では愛媛が0.4%減、岩手もわずかにマイナス。若者の都市部転出や相続に伴う資産の流出、企業活動の停滞などが背景にあるとみられる。 地方で預金の伸び悩みが続けば、地銀の営業基盤が弱体化し、再編の呼び水になる可能性もありそうだ。
◇都道府県別の預金残高
2016年末 伸び率
北海道 153,780 3.1
青 森 41,015 1.6
岩 手 46,558 ▲0.1
宮 城 102,070 1.5
秋 田 35,096 0.7
山 形 41,197 0.5
福 島 75,785 2.9
茨 城 111,178 2.4
栃 木 77,048 1.7
群 馬 73,037 1.5
埼 玉 288,638 2.4
千 葉 279,940 2.9
東 京 2,449,302 19.1
神奈川 402,028 3.3
新 潟 86,173 2.4
富 山 52,826 3.3
石 川 47,431 2.3
福 井 31,502 2.9
山 梨 27,909 1.9
長 野 74,011 1.2
岐 阜 73,994 1.8
静 岡 144,671 7.6
愛 知 366,680 5.1
三 重 77,795 1.0
滋 賀 54,527 2.9
京 都 122,737 5.6
大 阪 625,237 5.3
兵 庫 223,583 3.3
奈 良 64,650 0.7
和歌山 40,291 0.3
鳥 取 22,959 1.5
島 根 23,627 1.8
岡 山 78,020 2.2
広 島 124,207 2.1
山 口 60,753 3.9
徳 島 44,319 0.8
香 川 52,180 0.9
愛 媛 67,913 ▲0.4
高 知 26,597 2.5
福 岡 219,064 3.6
佐 賀 23,645 2.1
長 崎 48,440 2.3
熊 本 62,635 7.9
大 分 37,217 3.3
宮 崎 30,469 2.7
鹿児島 44,857 2.8
沖 縄 44,750 1.3
全国計 7,302,368 8.1
(注)単位億円、伸び率は前年末比増減率%、▲はマイナス (2017/02/14-13:07)
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