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入院で増えるのは、 医療費だけではない  ー家族の役割が止まったとき、生活を維持するためにかかるお金

入院で増えるのは、 医療費だけではない ー家族の役割が止まったとき、生活を維持するためにかかるお金

家族が入院したとき、真っ先に思い浮かぶのは治療費や差額ベッド代かもしれません。しかし、実際に家計へ影響するのは、医療費だけではありません。家事、育児、送迎、食事の準備など、入院した人が日常的に担っていた役割を、誰かが代わりに引き受けなければならないからです。

目次
  1. 家族の入院で止まるのは、収入だけではない
  2. 1カ月で、どのくらいの費用が増えるのか
  3. 短期入院でも、負担は退院日に終わらない
  4. 見えにくいのは、家族の働き方への影響
  5. 「妻が入院した場合」だけの問題ではない
  6. 相談時に確認したい「生活維持費」
  7. 医療保険の説明を、入院給付金だけで終わらせない
  8. 参考資料

家族が入院したとき、真っ先に思い浮かぶのは治療費や差額ベッド代かもしれません。しかし、実際に家計へ影響するのは、医療費だけではありません。

家事、育児、送迎、食事の準備など、入院した人が日常的に担っていた役割を、誰かが代わりに引き受けなければならないからです。家族だけでは補えない場合、外部サービスを利用することで、想定していなかった支出が発生します。

入院による家計負担は、「治療にかかるお金」と「生活を回すためのお金」の二つに分けて考える必要があります。

本記事では、妻が入院した家庭を一例として、医療費以外にどのような費用が発生するのかを整理し、相談時に確認したいポイントを考えます。

家族の入院で止まるのは、収入だけではない

夫婦が担う役割は家庭によって異なります。ただ、家事や育児の多くをどちらか一方が担っている場合、その人が入院すると、家庭内の仕組みはすぐに崩れます。

掃除、洗濯、買い物、食事づくり、保育園への送迎、子どもの見守り。普段は家族の中で行われているため、金額として意識されにくい仕事ですが、外部に依頼すれば費用がかかります。

入院によって代替が必要になりやすい役割
  • 掃除、洗濯、買い物などの家事
  • 食事の準備や片付け
  • 保育園や習い事への送迎
  • 延長保育やベビーシッター
  • 子どもの見守りや病児対応
  • 入院先への面会、洗濯物や日用品の受け渡し

近くに親や親族がいれば支援を受けられる場合もありますが、遠方に住んでいる、仕事や介護で頼れないといった家庭もあります。その場合、生活を維持するための費用が一気に表面化します。

1カ月で、どのくらいの費用が増えるのか

元記事では、家事代行、クリーニング、外食、延長保育、送迎代行、ベビーシッターを利用した場合の1カ月分の費用例が示されています。

項目利用例1カ月の目安
家事代行掃除、洗濯、食器洗い、買い物などを週2回利用35,200円
クリーニングワイシャツを月20枚利用4,800円
外食費買い物や自炊時間を確保できない場合の追加負担34,556円
延長保育18時30分から20時30分までを月単位で利用8,000円
送迎代行子どもの習い事への送り迎えを月8回利用48,840円
ベビーシッター1日4時間を月8日利用130,240円

すべてのサービスを同時に利用するとは限りません。それでも、家事代行と外食、延長保育だけで月数万円の負担になります。ベビーシッターや送迎代行まで必要になれば、負担は10万円を超える可能性があります。

家事を外部化した場合

月数万円

家事代行、クリーニング、外食や宅配食などが重なると、通常の生活費に上乗せされます。

育児支援まで必要な場合

月10万円超も

延長保育、送迎、ベビーシッターの利用時間によって、負担額は大きく変わります。

短期入院でも、負担は退院日に終わらない

近年は入院期間が短くなる傾向にあります。しかし、「入院が短いから家計への影響も小さい」とは限りません。

退院しても、すぐに掃除や買い物、子どもの送迎を再開できるとは限らないためです。傷口の回復、体力の低下、通院、服薬の副作用などによって、退院後もしばらく生活支援が必要になることがあります。

退院日は、支出の終了日ではない医療保険では入院日数が給付の基準になることがありますが、家庭内の負担は退院後も続く可能性があります。実際の生活再建期間まで見込む必要があります。

見えにくいのは、家族の働き方への影響

外部サービスを使わず、配偶者が家事や育児を引き受ける場合でも、費用が発生しないとは限りません。

残業を減らす、有給休暇を使う、勤務時間を短縮する、仕事を休む。こうした対応によって、手当や賞与が減少したり、収入そのものが下がったりする可能性があります。

入院した本人の収入が減るケースでは、世帯は「収入減」と「追加支出」の両方に直面します。医療費だけを計算していると、家計全体の負担を過小評価することになります。

「妻が入院した場合」だけの問題ではない

元記事では妻の入院を想定していますが、本質は性別ではありません。夫が家事や育児を多く担っている家庭もあれば、ひとり親世帯、親の介護を担う世帯、共働きで役割を細かく分担している世帯もあります。

誰が入院するかではなく、その人が家庭内でどの役割を担っているかを確認することが重要です。収入の少ない人であっても、家事や育児を多く担っていれば、その役割を代替するために大きな費用がかかる場合があります。

保障額は収入だけで決めない医療保障や就業不能保障を検討するときは、本人の年収だけでなく、家事・育児・介護など家庭内で担っている役割を金額に置き換えて考える必要があります。

相談時に確認したい「生活維持費」

入院時の備えを考えるときは、治療費とは別に、家庭生活を維持するための費用を確認します。

  • 家事や育児を主に誰が担っているか
  • 近隣に頼れる親族や知人がいるか
  • 保育園や学校の送迎を代わってもらえるか
  • 配偶者が勤務時間を変えた場合、収入はどの程度減るか
  • 家事代行やベビーシッターを何日利用する可能性があるか
  • 退院後、通常の生活に戻るまで何週間を見込むか
  • 預貯金や勤務先の福利厚生でどこまで対応できるか

自治体によっては、子育て支援、ファミリー・サポート、産前産後や療養時の家事支援などを利用できる場合があります。民間サービスの費用だけでなく、公的支援や地域の制度を確認することも大切です。

医療保険の説明を、入院給付金だけで終わらせない

医療保険の説明では、「入院1日につきいくら」「手術でいくら」という給付額に話が集中しがちです。しかし、相談者が本当に知りたいのは、入院したときに生活がどう変わり、何にお金が必要になるのかです。

例えば、入院給付金を家事代行やベビーシッター費用に充てる考え方もあります。一時金タイプであれば、入院初期に発生するまとまった支出へ対応しやすい場合があります。

ただし、保険であらゆる支出を補う必要はありません。預貯金、公的制度、家族の協力、民間保険を組み合わせ、どの費用をどの手段で備えるかを整理することが重要です。

入院の負担は、病院の中だけで発生するものではありません。

治療を受けている間も、家庭では食事、洗濯、送迎、育児が続きます。その役割を誰が引き継ぎ、外部サービスをどの程度利用するのかによって、必要な資金は大きく変わります。

医療費の平均額を示すだけでは、実際の家計負担は見えてきません。家庭内の役割を具体的に確認し、「その人がいない間の生活をどう回すか」まで考えることが、医療保障を現実の暮らしにつなげる相談になります。

参考資料

  1. ダスキン「家事おてつだいサービス」埼玉エリア・定期サービス
  2. ホワイト急便 さいたま市エリア料金情報
  3. 総務省「家計調査」2023年・30~39歳の外食費
  4. 練馬区 延長保育に関する案内
  5. ママメイト「ちょこっと送迎」料金情報

※掲載している費用は、元記事が2025年2月4日時点で調査したサービス例をもとにした目安です。料金、利用条件、対応地域、割増料金などは変更される場合があります。実際の利用時には、各事業者や自治体の最新情報をご確認ください。

本記事は転載元の公式発表をもとに INSURANCE JOURNAL が掲載しています。掲載内容は公開時点の情報に基づきます。

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