豪ブックメーカー「タッツ」めぐり買収戦=賭けオンライン化で成長期待
【シドニー時事】オーストラリアのブックメーカー(賭け屋)大手タッツは14日、投資銀行大手マッコーリー・グループが主導するコンソーシアム(企業連合)から買収提案を受けたと発表した。タッツは賭け屋で豪最大手のタブコープへの身売りで合意していたが、買収戦に発展した。 タブコープは競馬やスポーツ試合の賭けを店舗「TAB」やオンライン上で提供する。賭けのオンライン化に伴い、市場の急成長が期待される。また、ブックメーカーの国際競争が激化し、再編の動きが活発になっている。 マッコーリー主導の企業連合には、米投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)や年金運用会社が参加。買収提示額は最大73億豪ドルで、タブコープの提示額である約61億豪ドルを大きく上回っている。 タブコープは10月、タッツ買収で合意し、2017年半ばまでに統合手続きを完了する意向を示していた。11月には、対抗馬がタッツ買収に乗り出すのを防ぐため、タッツ株10%を取得した。しかし、10%では対抗馬阻止には不十分だった。 タッツ取締役会は「新提案の内容を精査する。ただ現時点でも、タブコープへも身売りが株主の最大利益になると確信している」と説明した。 タブコープとタッツの統合が実現すると、時価総額は113億豪ドルとなり、ウイリアム・ヒルやスポーツベットなど後続を引き離せる。ただ統合の実現には、タッツ株主や豪競争・消費者委員会(ACCC)の承認が必要になる。一方、マッコーリー主導の企業連合がタッツを買収する場合は、市場の独占強化の懸念は生じない。(2016/12/14-11:45)
この記事の情報発信者
時事通信社は、日本の代表的な通信社として、速報性と専門性を兼ね備えたニュースを新聞社、放送局だけでなく、金融機関、官公庁、ポータルサイト向けなど、様々な分野に提供しています。