三菱UFJ系証券に課徴金2.2億円=西武HD株価を操作-監視委勧告
証券取引等監視委員会は6日、鉄道・ホテル会社などを傘下に持つ西武ホールディングス(HD)の株価を操作して不正に損失回避を図ったとして、金融商品取引法違反(相場操縦)で三菱UFJフィナンシャル・グループ系列の法人向け証券会社、モルガン・スタンレーMUFG証券(東京都千代田区)に対し、2億1988万円の課徴金納付を命じるよう金融庁に勧告した。 監視委によると、自己資金で売買する本社部門の男性トレーダーは、2015年9~10月に保有していた約200万株の西武HD株式の含み損を解消しようと、購入意思がない「見せ玉(ぎょく)」の買い注文を繰り返し、株価をつり上げた。見せ玉の発注回数は計14営業日で1万9335回に上った。 他の投資家のコンピューターを使った自動売買(アルゴリズム取引)などを誘い入れる形で売り抜けた後、見せ玉を取り消す作業を繰り返し、約1億7000万円の損失を回避した。男性トレーダーは既に退社しているという。 証券会社の自己売買をめぐる相場操縦事件では、14年に金融庁が「むさし証券」(さいたま市)に課徴金納付命令と一部業務停止命令を出している。同庁は、モルスタMUFG証券についても内部管理体制に問題がなかったか調べる。 モルスタMUFG証券は「内部管理体制の一層の強化を図る。心よりおわびする」とのコメントを発表した。(2016/12/06-18:38)
この記事の情報発信者
時事通信社は、日本の代表的な通信社として、速報性と専門性を兼ね備えたニュースを新聞社、放送局だけでなく、金融機関、官公庁、ポータルサイト向けなど、様々な分野に提供しています。