ドイツ証券に警告=トレーダーが知人と受注調整-公取委
欧州各国が発行する国債の売買をめぐり、他社と受注調整したなどとして、公正取引委員会は15日、ドイツ銀行のグループ会社ドイツ証券(東京都)に対し、独禁法違反(不当な取引制限)の恐れがあると警告した。公取委によると、ドイツ証券の男性トレーダーは2010年4月~14年3月、米系のシティグループ証券(東京都)に勤める知人の男性トレーダーと、欧州国債に関する売買価格や注文の有無などについて、情報端末のチャット機能を使って頻繁にやりとりした。 10年11月以降は、共通の顧客から、複数の国債売買の見積もり依頼が両社にあった場合、双方が分け合って受注できるよう調整すると同意した。 実際に分け合ったのは数回にとどまることなどから、公取委は明確な独禁法違反とは言えないとして、行政指導である警告にとどめた。シティグループ証券については、再発防止策が適切などとして警告を見送った。 2人は同年代で、チャットで私的な会話を重ねるうちに情報交換を始めた。インターネットを通じた売買では受注調整する時間的余裕がないため、顧客が電話で依頼してきたときに限っていた。 ドイツ証券は「既に再発防止策を実施済み」とコメント。シティグループ証券は「警告を受けておらずコメントは差し控える」とした。(2017/03/16-14:11)
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