金融庁、地銀に立ち入り検査=外債運用にリスク
2017/03/10
株式会社 時事通信社
金融庁が、地方銀行の資産運用部門に絞って立ち入り検査を実施することが9日、分かった。運用難の地銀は相対的に高い利回りを狙って外国債券などへの投資を拡大しており、リスク管理が十分かどうか検証する。最近の米国金利の上昇(債券価格は下落)で含み損を抱える地銀には、経営の健全性への影響を回避するため、早めの改善を促す。 地銀の多くは、これまで余剰資金を国債で運用していたが、日銀によるマイナス金利政策の影響で利回りが大幅に低下。代わりに、外債などで運用益を確保する動きが拡大した。 しかし、トランプ米政権の経済政策への期待などから米長期金利は足元で2%台半ばまで上昇している。保有する債券の価格が下落し、業務純益以上の含み損を抱える地銀もみられるという。 金融庁は、地銀へのヒアリングを通じ、日々の業務を監視するだけでは、資産運用の実態を把握できないと判断。含み損の額が大きかったり、リスク管理体制が甘いとみられたりしている地銀数行を選び、月内にも検査に着手する。 (2017/03/10-08:33)
この記事の情報発信者
株式会社 時事通信社
時事通信社は、日本の代表的な通信社として、速報性と専門性を兼ね備えたニュースを新聞社、放送局だけでなく、金融機関、官公庁、ポータルサイト向けなど、様々な分野に提供しています。