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生命保険料、4月値上げ=マイナス金利、家計に負担

2017/02/06 株式会社 時事通信社
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日本生命保険は2日、保険料を毎月納めるタイプの保険商品について、保険料を4月2日以降の新規契約分から値上げすると発表した。マイナス金利など日銀の金融政策を受けた市場金利の低下で、国債を中心とした運用収益が低迷しているため。他の保険各社も引き上げを検討しており、マイナス金利の負の影響が家計に及ぶ形だ。大幅な値上げは家計の「保険離れ」につながりかねず、各社は上げ幅の抑制に努める。  日本生命は、貯蓄性の高い年金保険で保険料を平均3%、死亡時に保険金を支払う終身保険で同20%それぞれ値上げする。契約者に約束する利回り(予定利率)は初めて1%を下回る水準に下げ、年金保険を0.85%(現行1.15~1.35%)、終身保険を0.4%(同1.15%)とする。  年金保険で見ると、30歳男性が60歳から年60万円の年金を10年間受け取る契約の場合、毎月の保険料は1万5852円と現行より546円高くなる。30年間の支払保険料は計約570万円(現行は計約550万円)に膨らみ、商品の魅力は低くなる。   第一生命保険や明治安田生命保険など他の生保各社も、年金保険や学資保険など貯蓄性商品を中心に値上げする方針で、具体的な内容を詰めている。  業界内では「もともと低い予定利率だったが、値上げでさらに売りづらくなる」(大手幹部)と懸念する声が多い。別の生保幹部は「経営の健全性維持のため値上げはやむを得ず、2017年度の減収は避けられない」と話している。  生保各社は、国債利回りに基づいて金融庁が設定する「標準利率」を目安に、予定利率と保険料を決める。現行1.0%の標準利率は4月から0.25%に引き下げられる。

◇日本生命の新保険料(月額)

商 品      契約年齢     新保険料   値上げ額   値上げ率

▽学資保険      30歳  1万3350円   730円   5.8% (300万円)

▽年金保険      30歳  1万5852円   546円   3.6% (600万円)

▽終身保険      40歳  1万3653円  2475円  22.1% (300万円)

▽3大疾病保障保険  40歳  2万4535円  3100円  14.5% (500万円)

(注)4月2日の契約分から、被保険者が男性(学資保険は契約者が男性)の代表的な例、商品のカッコ内は保険金額

(2017/02/03-17:13)

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株式会社 時事通信社

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