米企業の不支持相次ぐ=「恩恵」業界からも-入国禁止令
【ニューヨーク時事】トランプ米大統領がイスラム圏7カ国からの入国禁止令を出したことに「不支持」を表明する企業が相次いでいる。米メディアによると、移民の高度な専門知識に頼るIT業界だけでなく、トランプ氏の経済政策の恩恵が大きいとみられる業界からも批判の声が出始めた。 「これはわれわれが支持する政策ではない」。金融大手ゴールドマン・サックスのブランクファイン最高経営責任者(CEO)は29日、全従業員に音声メールを送り、入国禁止令への反対を言明。会社として従業員や家族への影響を最小限にとどめる意向を伝えた。 ゴールドマンは昨年11月の大統領選以降、トランプ氏が掲げる規制緩和で恩恵を受けるとの期待から株価が急騰。次期財務長官のムニューチン氏をはじめ、新政権内に同行出身者も多く、政権との親和性が高いとみられていた。 自動車大手フォード・モーターも30日、従業員向けに声明を出し「自社の価値観に反することは支持しない」と強調した。トランプ氏に生産の海外移転を批判された同社は、メキシコでの工場建設計画を撤回するなど新政権との関係修復に努めてきたが、入国禁止令には異を唱えた。 既に大統領令に反対の立場を示していたアップルやフェイスブックなどIT大手のトップに続き、主要業界の大物が反旗を翻したことは政権への圧力となり得る。しかし、あからさまに経営に介入するトランプ氏の「報復」を恐れてか、多くの企業は静観を決め込んでいる。(2017/01/31-15:56)
この記事の情報発信者
時事通信社は、日本の代表的な通信社として、速報性と専門性を兼ね備えたニュースを新聞社、放送局だけでなく、金融機関、官公庁、ポータルサイト向けなど、様々な分野に提供しています。